私の答えは、油揚げなしの煮込みうどんです(哲学)
しかし、妻にとっては違うらしい…
日曜日、いつもの休日と同じく私は買い物に出かけた。その時、月曜日の夕食のメニューである、煮込みうどんの材料の油揚げを買い忘れてしまったのだ。
買い忘れたのはもちろん私が悪かった。いいわけをさせてもらうと、当日買ったのは、まずは私が作る日曜の夕食の材料。そして、妻は前日に翌日作るものの材料を買っておく派なので、月曜日の夕食の材料、さらに、娘が病気で寝込んでいる&月曜日が悪天候で買い物にいけないことを考慮し、火曜日の夕食の材料。加えて、月曜日及び火曜日の、妻の昼食。月曜日がお米パンと揚げパン、火曜日が冷凍ピザとサーターアンダギーという組みあわせである。これを、スーパー2か所とドラッグストア1か所を回って購入しなければいけない。初めから私には少々荷が重かった。
なんとか一通りの買い物を終えて、冷蔵庫に詰め込むなり床下収納に入れるなりしたのが日曜のこと。今日、月曜日。仕事中の私の携帯が不吉なバイブレーションを奏でた。自席を立ち、廊下で恐る恐る電話に出ると、妻のいら立った声が飛び出してきた。
「ねえ!油揚げはどこにしまったの?」
「(ヤバい!)あー、そういえば油揚げ買わなかったかも…。買い忘れた、ごめん!」
「はあ?なんで?買ってきてっていったじゃん!」
「ごめん、メモが漏れていたみたい」
「…どうするの?」
「油揚げ抜きで…」
「油揚げなかったら、煮込みうどん作れないじゃん!」
ええ??うそだろ?
油揚げって、そんな、煮込みうどんに欠くべからざるマスト具材だったの?
肉とか野菜とか入ってれば十分じゃないの?そりゃあ、ちょっと物足りないかもしれないけどさ。
私には正直そこまでの問題とは思えなかったが、しかし、妻の怒りはとどまるところをしらなかった。
「ねえ、どうするの?私は買い物いけないよ?6時までに油揚げないと間に合わないんだけど」
「いや…どうしようかな…」
「対処法を考えてから連絡して」ガチャ切り
このような時、みなさんはどうするだろうか?普通は、なんとか奥さんをなだめすかして、油揚げなしで調理するようお願いするのだろう。しかし、私は、日々妻の怒りにおびえて暮らしているうち、物事の優先順位が完全に壊れてしまっているのだ。
私は、会社を早退して油揚げを購入し、6時までに帰宅することを決意した。
「もしもし、俺が早退して6時までに帰るから」
「大丈夫なの?」
「(大丈夫なわけないだろ)まあ…しょうがないし…俺が悪いわけだから…」
「ふーん。煮込む時間があるから5時45分には帰ってきてね」
「(早くなってるじゃねーか!)…ハイ」
なんとか1時間早く上がるために必死で仕事を片付ける。上司にはさすがに油揚げを買うからとはいえないから、娘の体調が悪いから、というしかない…ウソではないし。
そんなこんなで問題の時刻が近づいたとき、妻からのLINEが入っているのに気づいた。
「油揚げはあきらめるよ」
うん。だよね。それが普通だよね。最初から言って欲しかったよね。
助かった…。助かったけど、疲れ切ってしまった。
もちろん発端は自分の買い忘れなんだけど、一品くらい買い忘れるって、家事あるあるじゃないのかなって思っているので、そこまで責められるほど自分の罪が大きかったとは思えない。そりゃあ、「うどん買い忘れた」だったら怒るのもわかるけどさ。
意図的じゃないにせよ、妻は怒りでこっちをコントロールしようとしているように感じる。結局、夫婦みたいに狭いところで完結して容易に逃げ出せない人間関係では、怒ったもん勝ちみたいなところがある。自分だってできれば怒られずに済ませたいけど、妻の要求レベルを自分が満たせるとは思えないんだよ。
今日だけで何回、何十分怒られただろうか。本当に疲れた…。